翻訳発注の基本1:翻訳サービスの違い

翻訳会社のルックです。

「翻訳の発注担当になってしまった!でもどうやって発注先を選べばいいのかわからない!」という方に向けて、発注先の選び方の参考になるような記事を書いてみたいと思います。当社は翻訳会社なので、完全に公平公正な内容になっているとは言えないかもしれません。それでも、発注に先立って読んでおくと役に立つ、と思います。

今回は、翻訳サービスの違いについてです。

翻訳サービスの違い

 

翻訳サービスにはいくつかの種類があります。

  1. 一般的な翻訳会社による翻訳(当社はこれです)

社内の翻訳コーディネーター(お客様と翻訳者の間に入って調整する役割)が、お客様の案件にあった翻訳者を割り当てるタイプの翻訳サービスです。翻訳者は社内だけでなく、社外も含みます。経験が確かな翻訳者に頼め、以降の翻訳も同じ翻訳者を指定できることもあります。

人が対応するので、要件が曖昧だったり、データ形式が特殊だったりしても、知見の範囲でなんとかしてくれることが多いのが利点です。反面、人間の手をかける分、他の形式と比べると、翻訳開始までに時間がかかることもあります。

  1. クラウドソーシングを使った翻訳

案件をWebサイトに登録すると、そのときに空いている翻訳者が受け取って翻訳するサービスです。納期優先の案件では便利ですが、基本的に翻訳能力が自己申告にもとづいているので、翻訳コーディネーターのような第三者による客観的な判断がないまま納品される点は注意が必要です。また、継続する案件でも同じ翻訳者にお願いするのは基本的には難しいです。

翻訳自体は(多分)人間が行うので、一般的な文章(ビジネスメールや見積書など定型的な文章)の翻訳であれば十分すぎる成果をそれなりの速さで提供してくれるので便利です。ただ、応対はシステムを介して行われ、融通が利かないので、要件をはっきりさせられる人、もっと言うなら「自分でも訳せるけど時間がないから下訳をお願いしたい」というような人にしか向かないと思います(個人的には)。

  1. 機械翻訳

人間ではなく、コンピューターが既存のコーパス(対訳データ)を用いるか、文章を分析して自動的に翻訳するサービスです。Google翻訳もこのひとつです。進歩がめざましいサービスですが、2016年現在では、日本語から他の言語に翻訳するにはほとんど使えないレベルと言えます(有料のサービスでそれなりの精度を持つものもありますが、大量のテキストを所有する会社でもなければ導入する意義は乏しいでしょう)。

使用範囲は社内閲覧用の文書などにとどめておいた方がよいかもしれません。どうしても外部公開用のドキュメントに使用したいときは「これは機械翻訳による文章です」と、注意書きをしておいたほうがよいでしょう。

 

当社は翻訳会社なのでお仕事が増えれば嬉しいのは間違いないのですが(笑)、上でも書いたとおりどんなものでも翻訳会社に頼んで翻訳してもらうべきとは思いません。クラウドソーシングに登録している翻訳者さんの中にもとても優秀な方もいらっしゃいますし、機械翻訳も着々と精度を高めているので、突然素晴らしい精度のサービスが現れるかもしれません。間違いなく言えるのは、発注先は「翻訳目的」と「発注者の言語能力」に応じて使い分けるべき、ということです。この点については次回書きたいと思います。何らかの圧力がかかったら書かないかもしれませんが。